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一気に自分の中で黒澤映画が盛り上がってきて、観まくってます。こうなると止まらないのが、私の性格、色々調べたりし始めることが多いですね。狭く!深く!な性格で、どうでもいいことは、本当にどうでもいいのです。しかし、どうでもよくないことは、ある程度凡人レベルは超えて掘り下げ始める、、、、、性格なんでしょうね。 ということで、もうamazonとかで、黒澤映画を買おうか、買うまいか、安いのはないか、カートに入れてみたり、削除してみたり、、、、してます。 一般的には、黒澤映画は、七人の侍 なぞがやはり有名ですし、名作ですが、この映画も精密なつくり、そして見事な頑固オヤジ役の『三船 敏郎』(やっぱかっこいいな~)、小言を、少し・・・・ 白黒じゃ~ん、古いじゃ~ん、黒澤とか興味ないよ~、と言っているそこのあなた!観るべし!観るべし!観るべし!よっぽど現代の映画よりも良くできております。 いや~、いいですね~、この三船の顔!いかにも頑固オヤジ~!映画の中のキャラをこのパッケージがあらわしております。 タイトル:天国と地獄 監督;黒澤 明 製作年:1963年 出演:三船 敏郎、仲代 達矢、志村 喬、山崎 努、その他いーーーぱい、おなじみの千秋 実、加藤 武も出てます。菅井 きんが麻薬患者だったとは今回知りました。そして若かりし頃のドモリおじさん名古屋 章も出てますねー。 なんと言っても、三船、仲代、山崎 の三人が群を抜いていい演技してます。 社会派の人間ドラマであり、私には、忠実にリアリズムを追求した映画に感じられました。 というのも、時代は1963年で私は生まれているわけもなく、日本の当時の裏の事情をいうのは、あまり目にすることはなく、『へー、こんなだったんだな、日本も』な~んて思わされます。 特に、場所が横浜であり、私の生まれ育った土地であり、映画に登場する地名、距離感なども非常に臨場感がありました。 江ノ島近辺も映画に出てきますが、これも湘南が高校だった私にはなつかしの場所です。 話は、会社のお偉いさん三船の子供が誘拐され、身代金を要求されるまでに起こる人間模様で、法律と倫理観、などを織り交ぜながら、素晴らしいアイディアと予想付かぬ展開で、グングン映画の中に観ているものを引き込んでいきます。 まずは、三船 敏郎 とある、靴メーカーの頑固現場たたき上げの重役、もう頑固!眉間にシワをよせるその顔と言ったら、、、、、そしてまっすぐな人間性、そして時折顔を見せるやさしさ。時代劇でのコンビが多い、黒澤&三船 ですが、現代劇でも見事なコンビネーションです。自らの人生をささげてきたのサラリーマン人生の大きな分岐点でチャンスに差し掛かったその瞬間に彼の身を襲った身代金要求という非常に厳しい境遇(本当はもっとトリッキーな状況ですが、ネタバレのためにこの辺までにしておきます)、倫理観を捨て、ビジネスを取るか、人としてこのような究極の選択を行わなければいけない状態で、その選択、そしてその結果、社会のありようが見事に描かれていますが、まったくアクションがこの映画ではなしの三船は、まるでアクション映画のような静の中の動を見事に演じ、存在感満天です。その実直な性格、本物を作るんだという強いスピリット!商業主義に屈しない精神!ビーティフルです。私もこうなりたいもので、、、、、 仲代 達也 黒澤映画でこの人もおなじみですが、ここでは、誠実な行動力、判断力のある刑事役をしています。後半は、三船を食うほどの存在感で、刑事という立場ながら、強い倫理観を持って三船をサポートして行く様は、爽やかな感さえかもし出しています。 山崎 努 初めて映画を観たときは、年をとった彼しかしらない私には、『え~と、誰かに似てるな』 って本人が若いだけだよ。って気付かないほど若々しいですが、そのちょっと陰気臭く、犯罪者っぽく、知能犯的な冷酷さを非常にうまく表現してます。 リアリズム 映画全般を通して、この時代に生まれていない私には、こんなだったんだ日本の裏社会は!!(もちろん映画として大げさに多少は表現されていると思いますが)と思わされる。あまり普段映像としてみることのない世界が描かれ、また現代の日本と比較してみると非常に懐かしくもあり、変わったなと興味深く感じることが多いですね。 恐らく横浜は伊勢崎町付近と思われる光景などは、ザットウ感、河の汚さ、外人が多い飲み屋、ヒロポンやコカインなどが蔓延する裏道、などなど、今まで自分では、体験したことのないその時代の日本の都会の風景が躍動感いっぱいに描かれています。 あまり言うとネタばれになるので、やめておきますが、ストーリーも構成も展開も非常に精密で、1963年にここまでの完成度の映画を精密に表現してる人は外国にはいなかったのではないでしょうか?映画だから、、、、現実離れしてても、、、みたいな、ところが古い映画にはやはりありますが、(現代映画でももちろん多いですが)この映画にはそんな甘えはありません。 ストイックなまでの映画に対する黒澤監督の意気込みが伝わってくる名作ですね。
by motoyama_naoto
| 2008-12-30 15:28
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